銀色の旅立ち

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「ただいまー……っても、まだ誰もいないか」 家に上がった銀は、そのまま自室へと向かう。銀の両親は共働きで、帰りは遅い。寄り道をしても、たいてい銀が帰宅する頃には留守だ。 部屋の電気を付け、鞄をベッドに放り投げると、急いで着替えを済ませる。時計が示す時刻はPM7:47。食事時ではあるが、せっかくなので両親の帰りを待つことにした。 「さて……早速やってみるか」 買ってきたゲームを袋から取り出す。ただでさえゲームが大好きな銀、それもあのような不思議極まりないゲームを手に入れたのだから、胸の高鳴りも自然と強くなる。 ディスクを本体にセットし、スイッチオン。ゲームは何事もなく起動する。 まずゲーム機本体のロゴが浮かび上がったあと、暗いままの画面に『now loading...』と、小さく白い文字が現れた。 (ソフトの方の会社ロゴとか出ないのか?そう言えばこのゲーム、どこの会社が出してるのかもわかんないし……) まったく、不思議を通り越して不気味なほどの無情報さである。営利目的であろう企業が、そのPRの絶好の場であるゲーム内に名を出さないなど、聞いたこともない。 そんな銀の心中の疑問を知ってか知らずか、黒画面白文字の“now loading...”はすぐに消え、静かなBGMと共にオープニング画面が流れ出した。
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