始まりの種

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キーンコーン、カーンコーン…… チャイムの音がして、少し遅れてたくさんの座席が動くけたたましい音が各部屋から鳴り響く。 いつもと同じように授業が終わりを告げる。 その後行われる終学活も何不自由なく終わり、やがてクラスが解散する。 何の変哲もない、同じような毎日の繰り返し。 だが、奇しくも今日、田尾銀は掃除当番だった。 もしそうでなかったら、おそらくこの物語は始まらなかったのだろう。 ───偶然。そう、ほんの小さな偶然から、この物語は始まる。 繰り返しの毎日に、咬み合わない歯車が生まれることで。
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