夜中の学校

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―――放課後 「未樹斗」よ、待ったか? 未樹斗さんが右手をあげ私に近付く。 私は首を横に振り答える。 「美夜」うぅん。待ってないよ。 未樹斗さんが少しでも二人だけの時間が欲しいからと放課後、理科準備室で待ち合わせをしているのだ。 「未樹斗」こーいうのは教師の特権だな 理科準備室の鍵を右手でチラチラと振りながらニヤっと笑う。 「美夜」もう…w 笑いながら未樹斗さんの頬に軽いキスをする。 未樹斗さんが私の肩を抱きしばらくそのままで幸せに浸っていた。…が急にバチバチと天井にある電球が火花を放ちパアンと割れた。 「未樹斗」!? 「美夜」もう古かったのかなぁ? 未樹斗さんの表情が険しくなる。 「未樹斗」いや、新しく買ったんだが…。まぁきっと不良品だったんだな 未樹斗さんはにこっと笑って私の頭を撫でる。 「美夜」………。 「未樹斗」ん?どうかしたか? 未樹斗さんが私の顔を覗き込む。 「美夜」あ、うぅん。なんでもないよ 「未樹斗」ん、そか そう言い未樹斗さんはまたにこっと微笑みかけてくれた。 なんでもないと言ったが、私の頭には、一瞬だがあの兎が過ぎった。少し不安になったが未樹斗さんの笑顔でその不安はすぐに消えた。 「未樹斗」そろそろ暗くなるな…名残惜しいが帰るか? 付き合い初めて一日しか経っていないからそう長くいたらどうかなってしまうと思い、私は軽く頷く。 「未樹斗」じゃあ今日は仕事もないし、車で送るな。あー、この電球片付けないとな。わりぃが先車のとこ言っててくれ 「美夜」うん、わかった 私は準備室を出て駐車場のある校舎の裏側へと向かった。 ・・・―――20分後 「美夜」遅いなぁ。なにかあったのかな? 私が車の横でキョロキョロしていると微かに校舎内から声が聞こえてきた。 「?」…――……。 私は未樹斗さんが来たと思い校舎の方へ近付いて行く。 「美夜」あれ?いなぃなぁ…気のせい…か。 私は車の横に戻り、車に寄り掛かって待つ事にした。 「?」美…夜…許さない…。 「美夜」!!? 後ろから声がして振り返ると車の中には耳に切り傷を負った兎がいた。 私はすぐに車から離れた。 「美夜」な、なんで…。!…未樹斗さんは? 急に未樹斗さんの安否が気になり校舎内に走った。 教室一つ一つを虱潰し(しらみつぶし)に探して行く。 「美夜」はぁはぁ…(いない!?何処に行っちゃったの…?)
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