エトランゼ

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――――――そう彼女に今日会うまでは…         私は浜辺を散歩していた。 そして、彼女に会った。 昔と変わらない綺麗な瞳をしていた。 『あなた、あの時の海亀でしょ?』 返事をしてもどうせ聞こえないと思い黙っていた。 『迎えに来たわよ。』 そう言って彼女は手を差し伸べた。 私も何故かその手を掴もうとしていた。 昔のまま変わらず吸い込まれそうな瞳のせいかも知れない。 私は手を掴んだ。 辺りが急に明るくなる。 さっきまでの夜が消え、白い世界がひろがる。                     私はとうとう来てしまった…。
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