第三話

5/5
14人が本棚に入れています
本棚に追加
/61ページ
教室に入るやいなや、物凄い勢いで旋が詰め寄って来た。 「何でいきなりどっか行くんだよ!1人でめっちゃ寂しかったんだぞ!!」 「私達が来る前も1人だったんだから別に変わりないじゃない。」 「でもだなぁ!!」 「でも何よ?」 「…………。」 旋は急に黙り込むと、一瞬ちらっと楓の方を見た。 「……?」 楓は訳がわからず、思わず首を傾げる。 「あーもうっ!!」 旋はいきなり叫び出すと、ズビシッと楓に指を差した。 「お前は絶対俺が笑わせてやるからなッ!!」 「「……はぁ?」」 楓と優希は思わずハモる。 「何言ってんのよ。いっつも笑ってんじゃない。」 お前の目は節穴かと言わんばかりに優希は呆れたように旋を見る。 「そーゆうんじゃなくて!!だーもう!とりあえず覚悟しとけよ!?」 そう言い残し、旋は自分の席に着いた。 「「…………。」」 2人はただ呆然と旋の背中を見送った。 「……私達も席…着こっか。」 「……うん。」 優希の一声で、2人はやっと自分の席に着いた。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!