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あれから旋は、これ程かというほど楓につき纏った。
楓はというと、始終笑顔で流していたが、午後になるとさすがに疲労の色を見せていた。
放課後――
「じゃあ俺部活だから行くな!」
「うん。頑張ってね。」
やがて教室は、楓と優希の2人になった。
「なんかいつもの2、3倍は疲労感感じるんですけど。あたし明日過労死してんじゃね?」
そう言いながら、楓は机に突っ伏する。
「人間そう簡単に死にはしないわよ。特にあんたはいろんな意味で図太いんだから。」
「それは褒めてんのか?けなしてんのか?」
「どう解釈するかはどうぞあんたのご自由に。」
「ちぇっ。」
しばらく沈黙が続いた。
そして優希が口を開く。
「あんたの作り笑いがバレることなんて絶対ないに等しいのに、バレるなんて珍しいわね。どっかでボロでも出したの?」
「ばっか。あたしがボロなんか出すわけねぇだろ。」
「じゃあ何で?」
「あたしが知るかよ。」
「……どうすんの、これから?」
「ずっとこれで通す。たとえ相手が気付いててもな。」
「……そ。」
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