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お互いがあまり会えなくても
連絡を取りつつ
何とか時間をやりくりしながら会える時間を作る
そんな生活を続けていたが
ある日私は彼に呼び出された
珍しく彼から呼び出しをくらい
私は学校が終わってすぐに彼の学校の近くへ向かった
『学校やめたわ、んで旅に出る』と一言
意味が解らなかった
『明日の朝出る』
いやいやいやいや、あなたは何を言ってるのか?
『バイクで行けるとこまで行って、そのまま海外に出る』
ちょいと待て!…一言良い?…私は?
『…』
黙秘かい…
『前から考えてたんだけど中々言い出せなかった』
まぁそれは言えないよね…でもそれは無い!
『ごめん』
謝るくらいならこんな事言うな、出て行くな
『…』
少し落ち着いてから私は言った
『あんたが黙ってパスポート取りに行ってたのは知ってたよ、でもさ…突然過ぎるから…心の準備出来てないから』
…
『まぁもう私がどーのこーの言ってもあんたは行っちゃうから止めないよ』
…
『でも…もっと早く言ってほしかったな…』
私の好きになる人は一人でどっか行ってしまう
中学の時に好きだった人も
旅に出て行った
見る目無いのかな…
二回目だから泣く事はないかと思ったが
私は泣いていた
でも泣いて引き止められるとは思ってないし
何より泣いて引き止める何て事は
したくない
それでも涙が止まらなかった
『必ず帰るから』
それが彼の最後の言葉
…
あれから一年が過ぎた
一切連絡もなく
私は私で彼に止められていたバイクの免許を取った
反抗心から何となく取得してみたが
これがまた面白い
いつしか私はバイクで旅に出たいと思い始めていた
自分で行って、自分で見つけて
自分で知る
そう考えたらワクワクした
彼も同じだったに違いない
だから私は決意した
旅に出ようと
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