笑う女子には福来たる

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街灯がひとつ、またひとつと減っていく道を進むと ユースホステルに到着した へぇ…こんなところなんだ 中学生の時にこーゆートコに泊まったな~ と思いながら車を降りた 『バイク治ったらケータイいれるわ』 あざーっす!! 私は敬語を使わずに出来る最大限の礼儀 と思われる あざーっす!!を連呼した 『お前うっさい』 ちさちゃんによろしくね と伝えユースホステルに入った 事務室の前でユースのおばちゃんとやりとりをした 一応泊まる事は出来るのだが どうやら夕飯はないらしい 御飯は人数分しか作らないので 朝のうち注文をしておかないと駄目との事 まあさほどお腹はすいていないので 今日ぐらい食べなくても平気か… 『あかん!』 とおばさんが一喝 『若い者はちゃんと食べなあかんよ』 へ?…いや、若いですがそんなお腹はすいてな… 『お隣から貰って来るから心配せんでええ』 田舎の人達は情に熱いな じゃあお願いします、わざわざすみません 『夕飯用意しとくから先にお風呂入っちゃいな』 と私を部屋に通すとおばさんは ダッシュでユースを出ていった すげーおばさんだ ベットが八つ並ぶ部屋 病院?それは表現が悪いか 合宿所みたいな感じ 外観を見た時も思ったけど 中学生の時に林間学校で来た場所に似てる ユースもその延長上の様なもんか ドアには『男子立ち入り禁止』と書かれている なるほど、ここは女子寮ね 『空いてるとこ使って』 と言われたのだが ほとんど空いてる よーく見るとリュックが二つ程置いてある 奥に目をやると窓際が空いているようなので 私はそこを使うことにした 荷物をベットに一息つこうとしたその時 後ろで何かが動いた ビクッとなりとっさに振り向くと 向かいのベットに誰か居た ご…ごめんなさい と謝ったが返事がない ただの屍のようだ
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