旅のはじまり

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部屋でゴロゴロしていると兄が入ってきた 部屋に黙って入って来るなよ… 『お前なんか襲わねぇよ気持ち悪い…』 何? 『何で急に旅行に行きたいとか言ったの?』 いや…ただ何となく… 『ふーん、面白いな』 何が? 『いや、バイクに乗りたいとか言い出した時も思ったけどさ』 … 『突発的にこーゆー事するのってお前らしいっつーか』 それが私だもの 『まあ家出じゃないから良いんじゃね?家出だったら一々報告もしないもんな』 家出じゃないって! 『だから父さんも母さんもちゃんと考えてくれてるよ』 … 『後でもう一回頼んでみな、今度はちゃんと説明しろよ』 と言うと兄は封筒を置いて部屋を出ていった そこには『餞別』と書かれ中にはお金が入っていた 私は顔を叩いて計画を練り直し 父と母の元へ向かった 『御願いします』 改めて父と母に頼み込む 自分の力で行って 自分の目で見たい 必ず帰るから御願いします もう一度土下座をした所で 親は折れた 『必ず毎日連絡を入れる事と野宿はしない、無理はしない』 結構条件低くないか? と思いながらも私の旅は決行する事になった しかし、この時に父から餞別なる物を頂いたのだが 私の当初予定していた自分で稼いだ金額つまり持ち金と 兄と父からの餞別で持ち金が二倍になっており 改めて私の無計画さを知ったが この事実を知るのは私だけである
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