旅のはじまり

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小さなバックパックに荷物を詰めていると 『そんな鞄で行くの?』 と横から母が口を出してきた 『荷物は小さく最低限』 彼から教わった事のひとつ 出た後に『もっと減らせたな…』と必ず思うらしい 前日になってからようやく荷物をまとめはじめ 母は『何でもっと前からやらないの?』 と更に問う 普通娘ならこーゆー心配をするのは父の役目では? と思ったりもする しかしその思いは通じているらしく 遠くの方で心配そうに覗いてる父を発見した 可愛いな父よ でも何か怪しいぞ 一通り荷造りを終えて 私はなんとなしに外へ出てみた 暖かい風が吹き 気持ちが良い いよいよ明日なんだなと思うとワクワクしていた 今夜は寝れなさそうだな… と考えていたが 布団へ戻ると数秒で夢の中へと旅出った まぁこんな事もある しかし 夢から覚めた 時計を見ると七時を指しており 外では雨が降り続いている… 私がぼーぜんと立ち尽くしている横から兄が 『まぁ…仕方ないな…』 と言いながら肩を叩いた 朝一で出発しようと計画していたのだが この雨では出発出来ない 先伸ばし?否!あたしゃ行くよ!! とGOサインを出すも 流石に家族総出で止められた せめて少しでも弱まって欲しい… そう願い続けた すると願いが通じたのか雨が止んだ 好機! 『行ってきます!』 とバイクを出し私は走り出した 家族と大した会話もせず 私の旅は始まったのだった
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