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おじさんとわたし
秋田市内に着いた頃には辺りはもう夜になっていた
身体はもう疲れ果て
一歩も動きたくない…
早く暖かい風呂に入り暖かい布団に包まれなければならない
大事な使命が私にはある
動きたがらない身体を無理矢理引きずり
ホテルを探す
大抵一発で見つけられるのだが
この日は違った
『申し訳ございません、本日全て部屋は埋まってまして』
同じ様な言葉を繰り返し聞かされ
ことごとくタライ回しされる私
いよいよ詰みか…
と思い始めた頃
ようやく泊めてくれそうな宿を見つける
しかしあくまで泊めてくれそうな感じだ
その宿のおじさんが私を家出と勘違いしたらしく
警察を召喚させてしまう
私はすぐに家へと連絡し家出ではない事を告げてもらう
それで全ては丸く収まる…
はずだった
宿のおじさんは私の親に対して怒り始めた
『女の子一人で旅に出すってどーゆー親だ!』
えええぇぇぇ!!!
その状況に右往左往する私
なだめる警官
電話越しに謝る母
こんな状況が暫く続いた
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