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ギターケースとボストンバックを持った男が公園のベンチに座っていた。
「へっ。女も夢も無くしちまった。」
タバコを吸っていた。
加藤だ。
ボストンバックの中には、少し札束が残ってた。
加藤はボストンバックを見て
「これ、いらねー。」
かすれた声を出した。
街灯もない暗闇から公園を見ている男が………。
「金さえあれば何でも出来るのに。何で落ち込んでんだ??」
背の高い男は首をかしげた。
「金より大切な物なんて…。」
男は暗闇で卑猥に笑った。
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