第四章

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閖雅とクロスは穴に入るためには人だけが良いと判断したため、ハクとフォーカスをトランプに戻した。 三人は穴に入る順番を決めた。突入する順番は…クロス、閖雅、オッドとなった。 クロス:「…お、俺のタイミングで行かせてくれよな」 閖雅/オッド:「………」 1番、乗り気ではなかったクロスが最初になったので、彼はとても消極的になっていた。閖雅が「先に行こうか?」と切り出しても… クロス:「年長者のあたしが行くわ!」 と、素のクロスは怯えていたが、おネエの言葉になって強気に言い張って聞かなかった。 閖雅:「早く~、夜になっちゃうよ~」 オッド:「クロスのヘタレ」 閖雅:「お腹減ったー」 オッド:「ヘタレ、変態、オカマ…」 クロス:「うぐっ…お、覚えておきなさいよ、オッド」 後ろに控える二人に言われたい放題だった。閖雅は急かすのと関係無い事を中心に、オッドはクロスへの鬱憤を晴らしていた。 意を決めたクロスは中に飛び込んだ。次々に閖雅、オッドが飛び込んだ。 クロスが降り立ったのは壁が岩で出来た細い道の中央だった。彼は周囲を警戒するために見回していると…それらは落ちて来た。 一一ヒュ………… ドドガッ ドベチッ クロス:「一一うぐっ」 クロスをクッションがわりに閖雅とオッドは到着した。 閖雅:「エヘヘ」 オッド:「お、良い衝撃吸収材だな」 閖雅は笑ってごまかし、オッドは悪びれてなかった。 クロスは咄嗟に落ちてきた閖雅をしっかりと抱き止め、オッドの下敷きにならないようにずらしていた。そして落ちてきたオッドを睨んでいた。 クロスは落下してきた二人を受け止めたことにより、地面に打ち付けた背中を摩っていた。 気を持ち直して辺りを見回すと、片方は奥に続き、もう片方は行き止まりだった。クロスは行き止まりの方を見ていると閖雅は言った。 閖雅:「なんか…壁を掘ったみたいだね、その壁」 クロス:「!」 彼等は落ちた順に列び歩き出した。 しばらく一本道だったものが、前方に黒い扉が立ちはだかっていた。 扉の様子を見ていると小さな窓が開き、目玉がこちらを見つめてきた。
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