1552人が本棚に入れています
本棚に追加
閖雅とクロスは穴に入るためには人だけが良いと判断したため、ハクとフォーカスをトランプに戻した。
三人は穴に入る順番を決めた。突入する順番は…クロス、閖雅、オッドとなった。
クロス:「…お、俺のタイミングで行かせてくれよな」
閖雅/オッド:「………」
1番、乗り気ではなかったクロスが最初になったので、彼はとても消極的になっていた。閖雅が「先に行こうか?」と切り出しても…
クロス:「年長者のあたしが行くわ!」
と、素のクロスは怯えていたが、おネエの言葉になって強気に言い張って聞かなかった。
閖雅:「早く~、夜になっちゃうよ~」
オッド:「クロスのヘタレ」
閖雅:「お腹減ったー」
オッド:「ヘタレ、変態、オカマ…」
クロス:「うぐっ…お、覚えておきなさいよ、オッド」
後ろに控える二人に言われたい放題だった。閖雅は急かすのと関係無い事を中心に、オッドはクロスへの鬱憤を晴らしていた。
意を決めたクロスは中に飛び込んだ。次々に閖雅、オッドが飛び込んだ。
クロスが降り立ったのは壁が岩で出来た細い道の中央だった。彼は周囲を警戒するために見回していると…それらは落ちて来た。
一一ヒュ…………
ドドガッ
ドベチッ
クロス:「一一うぐっ」
クロスをクッションがわりに閖雅とオッドは到着した。
閖雅:「エヘヘ」
オッド:「お、良い衝撃吸収材だな」
閖雅は笑ってごまかし、オッドは悪びれてなかった。
クロスは咄嗟に落ちてきた閖雅をしっかりと抱き止め、オッドの下敷きにならないようにずらしていた。そして落ちてきたオッドを睨んでいた。
クロスは落下してきた二人を受け止めたことにより、地面に打ち付けた背中を摩っていた。
気を持ち直して辺りを見回すと、片方は奥に続き、もう片方は行き止まりだった。クロスは行き止まりの方を見ていると閖雅は言った。
閖雅:「なんか…壁を掘ったみたいだね、その壁」
クロス:「!」
彼等は落ちた順に列び歩き出した。
しばらく一本道だったものが、前方に黒い扉が立ちはだかっていた。
扉の様子を見ていると小さな窓が開き、目玉がこちらを見つめてきた。
最初のコメントを投稿しよう!