第四章

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男:「なんだ…生き残ったのはおまえ等だけか?…用心の為だ。…『証』を見せろ」 オッド/クロス:「(『証』…?)」 閖雅は不思議に思ったオッドとクロスを他所に、内ポケットのトランプの背を『茶色』に変え、瞳に茶色の炎を宿した。 男:「おっけー、入りな」 男はオッドとクロスのを確認をしないで扉を開けた。 一一グググ… 男は内から扉を開けた。三人は数歩下がり完全に開くのを待った。 一一がしゃーん 男:「この先の行き方は覚えてるな?行き慣れてても、迷った挙げ句にたまに死体が転がってるからな」 男はいつもの台詞を吐きながら、仲間を見送った。閖雅達にとっては大切な情報源だった。 クロスは彼に手を振るとばれないうちにその場を離れた。 オッドとクロスは閖雅の突然の切り返しにホッと安堵をついた。 オッド:「いや…お前が居て良かったよ」 オッドとクロスは彼が使った方法が分からなかったが、成功したので特に突っ込まなかった。 閖雅:「エヘヘ…でも、これから…どうしよう?…あのおじさんの話じゃ、この先、迷っちゃうんでしょ?」 オッド:「…ん?」 クロスはオッドの肩に手を置いた。 クロス:「此処には強力な助っ人が居るわよ」 オッド:「え、俺?」 クロス:「えぇ。アナタ、人間よりは鼻が利くはずよ。…違うかしら」 オッド:「!」 オッドはニヤリと微笑むと、先頭を歩き出した。クロスは自分の属性を活かしながら、周囲の風の流れをよみ取りながら進んでいた。 閖雅は『地中の鷹の目』を発動させて辺りに誰かが潜んでいないかを警戒した。 閖雅はこの目があれば迷うことがないような気がするが、あえて進言しなかった。…オッドとクロスには水属性以外の魔法が扱える事を何故か伏せておきたかった。 オッドは頻繁に鼻をひくつかせていた。 閖雅:「(…犬…)」 クロス:「(犬だわ…)」 火炎虎と呼ばれているから虎であり、猫科でもあったが…後ろ姿は犬に見えた。 オッド:「お、こっちだ」 得意げに先導するオッドは最初、手間取っていたが、奥へ行くに連れて早足になった。 しばらく歩くと先には出入口にあった扉と似た材質で、デザインが異なる扉に行き着いた。此処に着くまでは二時間掛かった。中はあちこちに逸れる道が何本もあり、至る所に白骨が散らばっていた。 一一ギィ… 小さな窓から先程の男とは違って堅苦しい雰囲気の男が除いてきた。
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