第四章

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じっくりと品定めした男は手を打った。 男:「アレだよ」 閖雅:「…アレは…」 指差したのは比較的に小さな檻(おり)だった。そこには茶色い兎が居た。 男:「そう、アレは此処で1番の値打ちものさ。何度買い付けしても、誰にも懐(なつ)かないからまたここに出されてな。買い手もマイナスにならないように買われたときよりも高く値が付けられて舞い戻ってくるってわけだ」 男の話によると、買い付けた後に『凶暴』過ぎて返品されるようだ。閖雅は茶色い兎を見た。 閖雅:「………」 兎の瞳は青かった。兎も閖雅に気付き、彼を見つめた。 兎:「………」 兎は閖雅に対して、何も言ってこなかった。ここにいる魔物たちは何かしら叫んでいたと言うのに。 しばらく色々な檻を見ていった彼はオッドとクロスに状況を説明しに部屋に戻った。
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