第五章

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兎は天井を見上げ、地上に一番近い場所の近くに移動した。 魔物達は兎より少し離れた場所に移動する。閖雅は兎の近くに居たかったが兎が魔物達の元に居るようにいった。 兎は縦長の耳を左右に動かした。 兎:「…『部位の肥大化(リゲイン・コーパランス)』」 一一ドクンッ!! グググ… 兎が魔法を唱えると、彼女の右手が巨大な腕になった。 閖雅:「うわぁっ!!!!! 」 彼女は腕を勢いつけて、小さな身体で強靭な足で跳び跳ねるとそのまま天井を殴りつけた。 一一どかぁーんっ 一一キラッ 太陽の光が兎が開けた穴から入ってくる。 空を飛べる魔物達は飛べない魔物を背中に乗せて、一斉にそこから飛び出していった。茶色い兎はぴょんぴょんと閖雅の方にやって来て彼の腕の中に飛び込んだ。 閖雅:「あれ…おいてけぼり?」 兎:「………」 兎はそれ以上何も話さなくなった。青い瞳で見つめてくるので閖雅はため息を吐いた。 閖雅:「…僕と外に出たいのかな?…特別、だよ?ハクが僕以外を乗せるなんて初めてなんだからね」 侵入者が閖雅と魔物が兎だけになると、後ろに控えていた地の島の住人とバイヤーがこちらににじり寄って来た。 バイヤー:「…その魔物だけは行かせはしない」 住人:「どんな闇でも目をつむるけど、我等の都をはちゃめちゃにしてくれたのは許さない」 閖雅は兎をギュッと抱きしめた。 閖雅:「この子は本来、あるべき場所に帰すのが1番良いよ。都がこんなになったのは…闇市のせいでしょ。僕に当たらないでくれる?」 魔物がいなくなって、態度が大きくなっていくバイヤー達と都を壊された住人は閖雅に迫る。 ハク:「シャーッ」 彼の身の危険を感じたハクが勝手に表に出て来た。 敵:「うわぁぁぁっ」 ハク:「ユリマサに手を出す奴は私が許さん」 彼はそういったが人間に通じる筈がなく、ハクの姿を見た彼等は一目散に逃げていった。 閖雅は光る糸を出し、ハクに乗った。 彼は、出来た穴から外に飛び出した。
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