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閖雅:「オッドのお父さんを知ってるの?!」
オッド:「へ?」
クロス:「…ユー君?」
閖雅の言葉にオッドとクロスは目を丸くして、兎を見つめる。兎は閖雅を見つめながら言った。
兎:「…うちも一緒に連れていってくれるなら、教えてあげても良いわよ」
閖雅:「え…」
閖雅の言葉を聞いたオッドとクロスは困惑していた。
閖雅は頭を掻きながら言った。
閖雅:「えっと…僕の旅(?)は危険なんだ。移動中も空の上だし、君はその…バランスとか…落ちたりしたら…」
…ドクン
その時、閖雅のトランプが脈打った。
閖雅:「え?」
彼は慌てて取り出すとそれは光っていた。
ハク:「…召喚獣にしてしまえば問題ない」
ハクの声が頭に響いた。兎は閖雅を見つめ、それを望んだような眼差しで彼の目だけを見つめていた。
閖雅:「…召喚獣って自由にあちこち行けなくなっちゃうんだよ?嫌なときでも僕といなくちゃいけないし、地の島にいつ戻れるかも分からないし…」
兎:「………」
閖雅:「…僕は君の自由を奪いたくないんだ」
閖雅は『魔物を召喚獣にする』経験は『初めて』だった。クロスはぽんっと閖雅の肩に手を置き頭を振った。
クロス:「召喚獣にするには、魔物の気持ちが1番、重要よ。自分の気持ちだけで相手を束縛できないものだし」
閖雅:「でも…それでも…僕は…」
クロス:「もし、旅をしてなかったらアナタは、その兎ちゃんをどうしたいの?」
閖雅:「!!!」
閖雅は目の前の霧が晴れ渡るような気がした。
閖雅:「それは、もちろん…この子と一緒に居たいよ。出会ったのは偶然だけど、こうしてまた会えたことに不思議な感じがしたから」
兎:「…うちも…貴方と離れたくない」
一一ぱぁぁぁ…
兎の身体が輝きだした。心が通えば契約成立の証だった。
一一バシュッ
兎はトランプに吸い込まれていった。
オッド:「あ、ちょい待てよ…親父の情報…っ」
閖雅:「あ…クロスさん、僕…この子の名前を聞きそびれちゃった…」
名前が分からなければ召喚が出来ない。クロスは微笑んでいた。
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