第六章

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閖雅:「オッドのお父さんを知ってるの?!」 オッド:「へ?」 クロス:「…ユー君?」 閖雅の言葉にオッドとクロスは目を丸くして、兎を見つめる。兎は閖雅を見つめながら言った。 兎:「…うちも一緒に連れていってくれるなら、教えてあげても良いわよ」 閖雅:「え…」 閖雅の言葉を聞いたオッドとクロスは困惑していた。 閖雅は頭を掻きながら言った。 閖雅:「えっと…僕の旅(?)は危険なんだ。移動中も空の上だし、君はその…バランスとか…落ちたりしたら…」 …ドクン その時、閖雅のトランプが脈打った。 閖雅:「え?」 彼は慌てて取り出すとそれは光っていた。 ハク:「…召喚獣にしてしまえば問題ない」 ハクの声が頭に響いた。兎は閖雅を見つめ、それを望んだような眼差しで彼の目だけを見つめていた。 閖雅:「…召喚獣って自由にあちこち行けなくなっちゃうんだよ?嫌なときでも僕といなくちゃいけないし、地の島にいつ戻れるかも分からないし…」 兎:「………」 閖雅:「…僕は君の自由を奪いたくないんだ」 閖雅は『魔物を召喚獣にする』経験は『初めて』だった。クロスはぽんっと閖雅の肩に手を置き頭を振った。 クロス:「召喚獣にするには、魔物の気持ちが1番、重要よ。自分の気持ちだけで相手を束縛できないものだし」 閖雅:「でも…それでも…僕は…」 クロス:「もし、旅をしてなかったらアナタは、その兎ちゃんをどうしたいの?」 閖雅:「!!!」 閖雅は目の前の霧が晴れ渡るような気がした。 閖雅:「それは、もちろん…この子と一緒に居たいよ。出会ったのは偶然だけど、こうしてまた会えたことに不思議な感じがしたから」 兎:「…うちも…貴方と離れたくない」 一一ぱぁぁぁ… 兎の身体が輝きだした。心が通えば契約成立の証だった。 一一バシュッ 兎はトランプに吸い込まれていった。 オッド:「あ、ちょい待てよ…親父の情報…っ」 閖雅:「あ…クロスさん、僕…この子の名前を聞きそびれちゃった…」 名前が分からなければ召喚が出来ない。クロスは微笑んでいた。
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