第六章

7/7
前へ
/432ページ
次へ
男②:「イッテー…。あー、昨日…『試合』だったんだ」 頭を掻きながら男②は言った。すると男①はニヤリと笑った。 男①:「何だ…『また』負けたのか?」 男②は苦虫を潰したような顔をした。 男②:「…ばーか。『☆Ⅱ(ほし・に)』を甘く見んなよ」 男①:「ケケケ…情けねぇな」 男①は笑った。 男①:「お前程度で『☆Ⅱ』に挑む奴がおるか」 男②:「次の仕事には『☆Ⅱ』のランクが必要なんだよ!」 男①:「ケケケ…お前が『☆Ⅱ』になったら…この都も終わりだな」 アースは聞き慣れない『☆Ⅱ』に頭を傾げた。 一一キィィンッ その時だった。和んでいた広場と都に緊張感が走った。アースは自慢の聴覚に集中した。 アースは目を閉じて心で唱えた。 アース:「(『部位の空間転移(メタシタシス)』)」 彼女の目は、地の島の都の天井部分を突き抜け、地上へと抜け出した。 アース:「!!!!!」 そこには、今まで見たことが無い程の巨体な魔物が居た。それは焔(ほのお)のように赤い身体をしていた。それが火炎虎だった。 魔物:「…ぬるい。質問に答えないからこうなるのだ」 魔物は地面を蹴り、空を翔けて行った。それが去ったあと、その周囲はあちこちが破壊されていた。 アース:「………」 アースが見たのはそれだけだった。話を聞いたオッドは苦い表情をしていた。 オッド:「確かに…特徴を聞くと親父だ…。一体、何をしているんだ?」 クロス:「何かを捜しているみたいね」 閖雅:「………」 閖雅が黙り込んでいると、アースが気にかけた。
/432ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1552人が本棚に入れています
本棚に追加