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アース:「ユリマサ?」
閖雅:「…ねぇ、『☆Ⅱ』って何?」
クロスは閖雅を見た。
クロス:「この世界には、自らの力を全て『ランク付け』にしてあるのよ」
閖雅:「『ランク付け』…」
クロス:「ランクの強さは『☆』で表される。それは一対一の闘い…『試合』と呼ばれるもので決められるの」
閖雅:「うん」
クロス:「その試合に出たことがない者は『☆0(ほし・ぜろ)』で、最高クラスは『☆Ⅴ(ご)』なの」
閖雅:「へー?」
クロスは閖雅を見た。
クロス:「ランクはとても大切なの。ランクが高ければ高い程、『報酬金が高い』!それに何より…最高ランクになると『宿代がいらない』!!」
閖雅:「ぇ」
オッド:「(うわ…)」
オッドと閖雅はクロスを冷たい視線を送った。
クロスは咳を(せき)して空気を変えた。
クロス:「まぁ…他には色々と『役得(やくとく)』があるみたいよ」
閖雅:「便利だね!クロスさんはランクは何んなの?」
オッド:「…どうせ、『☆0』だ」
クロスは鼻で笑った。
クロス:「残念でした。あたしは『☆Ⅲ(さん)』よ」
閖雅:「うわぁっ…凄い…の?」
オッド:「…意外と簡単なんだな」
オッドは試合にも出たことがないため、閖雅と同じ『☆0』だった。クロスが取れるなら自分も取れるかもしれない気分になる。
クロス:「まぁー。言うわね。…召喚獣がいればまぁ…どうにかなるかも?」
クロスはそれ以上自身のランクについて話さなかった。閖雅の姉、那波(ななみ)についてのアースの情報は何もなかった。
それから、閖雅達は眠りについた。
一人魔物が増えたために、眠れる時間が増える。
今夜はハクからだった。
ハク:「…!」
ハクが外を見ていると、アースが閖雅の腕の中から這い出してくる。
そしてハクに近寄った。アースは普段のように跳ねていなかった。
ハク:「…眠れないのか」
アース:「…そんなとこかしら」
ハクとアースは閖雅をめぐって競っていたときとは違い、二人の間には落ち着いた雰囲気が流れていた。
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