第七章

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震えていた身体が、ピタリと止まる。 オッド:「だっしゃーっ!!!」 閖雅:「うわっ」 オッドは勢いよく両手をあげて立ち上がると雄叫びをあげた。閖雅は突然だったので後ろにひっくり返った。 閖雅:「………」 二人:「はははははっ!!」 閖雅とオッドは顔を見合わせて笑っていた。 クロス:「後でこの魔法を教えてあげるから…今度は自分で唱えなさいよね。…出来ればだけど」 ハク:「今の魔法は…」 クロスは難無く発動させたが、かなり高等な魔法だった。自分が苦手な属性だったなら、緩和できる。 クロス:「(今のオッドには難しいと思うけど…まぁ、良いか)」 クロスがため息を吐くと閖雅が振り向いた。 閖雅:「そういえば…クロスさんの今の魔法ってなんだか変わってたね」 クロス:「ん?」 クロスは困った。 クロス:「…そうね。実はこの魔法には最低『☆Ⅱ』ランクが必要なのよね。…オッドには内緒よ?」 オッドに聞こえないようにクロスは声を潜めて閖雅に言ったが、彼には聞こえていた。オッドは落ち込むのと立ち直るのも早かった。 オッド:「おっしゃーっ、俺も☆を取るぞ~!!」 閖雅:「…へ?」 オッドのやる気に炎が点る。彼は両手を挙げて張り切ったが、閖雅の腕が上がっているのを不思議に思う。何故なら、オッドは閖雅の手首も掴みあげていた。 閖雅:「…えっと…僕も…取るの?」 きょとんとしていると、ハクがオッドの身体に巻き付いた。 オッド:「ぅぐぇっ…」 閖雅:「ハク?!」 ハク:「駄目だ。ユリマサをそんな危険な目には合わせない」 オッド:「う、ウグ…こ、今度の…俺は折れんぞ!」 クロス:「…はぁ…もうっ」 クロスはそんなハクとオッドを他所に、閖雅に聞いた。 クロス:「ユー君はどんな気持ちなの?」 閖雅:「………」 驚いていた閖雅だったが、満面の笑みを浮かべていた。 この笑顔が全てを語っていた。 それを見たクロスは表情がひきつり、ハクは口を大きく開けて抗議する。 ハク:「ユリマサ!」 閖雅:「僕が決めたんだ。…良いでしょ?」 ハク:「ぅ…」 彼の純粋な眼差しを一身に受けたハクは妥協するしかなかった。アースは何も言わなかった。
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