第三章

5/5
前へ
/432ページ
次へ
オッド:「ぷはーっ…マジで迷うところだった!…お、ユリ、起きてたんだ」 閖雅:「…驚くじゃないか!変な怪物かと思ったよ」 オッド:「わ、わりぃ…そんな、怒んなって…」 閖雅はそっぽを向く。 オッド:「ユ~リ~?」 オーバーリアクションが与えた影響は大きかった。すっかりと臍(へそ)を曲げた閖雅(ゆりまさ)はオッドから顔を背けていた。 オッドは彼の分と自分の分の朝食を採りに行っていたので、食べ物で閖雅の機嫌をなおそうとした。 むっす~ そわそわ むすっとした閖雅の回りをそわそわと動き回るオッド。やがて、堪えられなくなったオッドが両手を前に合わせて頭を下げる。 オッド:「ごめんって!俺、そんな気はなかったんだよ。…なぁ、ユリ…お前に俺が好きなコレをあげるから!…な?」 閖雅:「………」 閖雅にとって、その行動は逆効果だった。オッドはそれに気付かず必死だった。そんな彼を見続けた閖雅は深くて長いため息を吐いた。 捧げられたものを取ると、閖雅は食べた。 オッド:「あ…」 一一モシャモシャ 閖雅はオッドが献上した果物を鷲掴み、口に持って行き噛(かぶ)りついた。 パアァァッ 大好きな果物を持って行かれたときのオッドは唖然としたが、状況が状況だったので、閖雅が食べてくれたのを見ると、表情が輝いていた。 閖雅はオッドがその表情をすると嬉しかった。照れながら噛(かぶ)りついていた。
/432ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1552人が本棚に入れています
本棚に追加