1552人が本棚に入れています
本棚に追加
オッド:「ぷはーっ…マジで迷うところだった!…お、ユリ、起きてたんだ」
閖雅:「…驚くじゃないか!変な怪物かと思ったよ」
オッド:「わ、わりぃ…そんな、怒んなって…」
閖雅はそっぽを向く。
オッド:「ユ~リ~?」
オーバーリアクションが与えた影響は大きかった。すっかりと臍(へそ)を曲げた閖雅(ゆりまさ)はオッドから顔を背けていた。
オッドは彼の分と自分の分の朝食を採りに行っていたので、食べ物で閖雅の機嫌をなおそうとした。
むっす~
そわそわ
むすっとした閖雅の回りをそわそわと動き回るオッド。やがて、堪えられなくなったオッドが両手を前に合わせて頭を下げる。
オッド:「ごめんって!俺、そんな気はなかったんだよ。…なぁ、ユリ…お前に俺が好きなコレをあげるから!…な?」
閖雅:「………」
閖雅にとって、その行動は逆効果だった。オッドはそれに気付かず必死だった。そんな彼を見続けた閖雅は深くて長いため息を吐いた。
捧げられたものを取ると、閖雅は食べた。
オッド:「あ…」
一一モシャモシャ
閖雅はオッドが献上した果物を鷲掴み、口に持って行き噛(かぶ)りついた。
パアァァッ
大好きな果物を持って行かれたときのオッドは唖然としたが、状況が状況だったので、閖雅が食べてくれたのを見ると、表情が輝いていた。
閖雅はオッドがその表情をすると嬉しかった。照れながら噛(かぶ)りついていた。
最初のコメントを投稿しよう!