第四章

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閖雅(ゆりまさ)はそんな重大な情報を忘れきっていたオッドに対して、軽い殺意を抱いた。 オッド:「ハハハハハハハ」 当の本人は悪びれるわけでもなく、笑っていた。閖雅はバシッとオッドの背中を無言で叩き、海の方を向いて砂浜に腰を下ろした。 オッド:「…ユリ?おーい、ユリ?…ユリ君ってば…ユリ様…?」 閖雅は遠い眼差しで水平線を見つめた。犬のように彼の周りをぐるぐると回るオッドは、まるで主人に怯えた犬だった。 オッドに対して無反応だった閖雅に彼は最終手段を使った。 先程、閖雅の機嫌を治した果物戦法でオッドは彼に挑んだ。 オッド:「!」 彼はオッドを流し目で一瞬だけ見た。 オッドは冷たい眼差しに項垂れる。 閖雅:「はあぁぁぁ…」 芸の無い彼に閖雅が妥協するしかなかった。 閖雅:「しょうがないよね。人は誰しも忘れるし」 オッド:「ユリ!ユリ~♪」 その日は歩き詰めだったので二人は直ぐに眠気がきた。 一一翌朝 パォーン! 閖雅:「象?!」 閖雅はガバッと起きる。 ジャンモの森の朝と鳥に慣れる事が無いだろうと彼は心より思った。 オッド:「オッス♪」 オッドは相変わらず、朝が早かった。 この日の始めに朝食を済ませてから直ぐに、二人は作戦会議を開いた。 散々悩んだあげく、今日の方法はオッドが考えた。閖雅はそれが猛烈に不安で仕方がなかった。 ポキッボキッ カララン オッドは森の奥に消え、閖雅は浜辺の近くで木の枝を拾い集めた。オッドの計画はというととてもシンプルなものだった。 オッド:「俺の火で、ゴオォッと燃やしたらどうだ?」 両手をあげて火の勢いを表した。 閖雅:「(…狼煙(のろし)か)…良いんじゃない?」 彼にしては中々の案だった。閖雅は良いアイディアだと思った。 しかし、オッドの火力は凄いのだが、彼本人が制御しきれていない。もし、ミスを侵すと自分に後始末が回されるのか目に見えていたので、そこは不安だった。
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