第四話 追憶と幕開け

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 端的に言うと極端に文字数が少なかった。  寒気が走ったのはこの文。 『返事は?』  普段の姉さんを知っているからこそ、これに恐怖を感じることができる。あんなに元気で口数の多い姉さん。この文からすると……確実に怒ってる。 「えぇ~と……ひん!」  狼狽しながら、電話をかけようとすると新たに発見。着信履歴75件。無言電話も何件か留守電話に。  嫌な汗が額を伝った。  まるで死神の手に肩を掴まれたような寒気が走る。 「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ!!」  刮目。決意して、姉さんの携帯電話へ発信。一回一回のコールがやけに長く感じた。
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