第四話 追憶と幕開け

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「べ、別にそんなわけではッ! なんだか、緊張と申し訳なさが……」 「申し訳なさ……ねぇ? 何か悪いことでもしたのかしらね?」 「いえ、その……私みたいな男を入学させるなんて父の我が儘を受け入れてもらって……」  本来は男子禁制の花園を汚してしまいそうな私。そのリスクを背負いながらも快く、承諾してくれた学院長先生には申し訳が立たない。  鶴の恩返し的に私もいつか、これに報いるために何かをしよう。うん、何かを。 「そうね。最初、伺った時は困惑したわ。でも、受け入れたものは仕方ない。やっぱり、あなたは嫌なのかしらね?」 「嫌と言うわけでは……いや、それは志望校もありましたし、不本意ではありましたが……私云々よりも他の生徒さんたちに悪い気がします」
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