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「なんで何も反応してくれないかなぁ? 先生泣いちゃうぞ」
「小石原先生ですね!」
マッハを越えた(気持ち)スピードで振り向き、私は大声を上げた。それに小石原先生は苦笑いを浮かべつつ、私の頬を両手で掴む。
「顔を見たら誰でもわかっちゃうでしょ~」
甘い声だ。舌足らずだ。先程の授業で取り敢えず、一時間この声を聞き続けたが、未だに慣れない。
「それとあなたはわたしのことを茜先生って呼んでくれると嬉しいな。小石原ってジャリジャリしそうだもの」
それは先生の偏見のような……いや、でもその名前を持つ本人が嫌だと言っていることだし。仕方がない。
「いい? もし、あなたが困難にぶつかったのなら小石原先生やわたし。ハルカさんに相談しなさいね」
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