第四話 追憶と幕開け

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『そしてキミは私の能力のせいで困っているようだな。いやはや、モテすぎは罪だと言えるのかな』  やけにキザっぽい態度で笑うモテルフ。モテモテ妖精というのも頷ける。 「な、なんとかならないかな?」  つんぐほぐれずの危機的状況から救いの手を求めるべく、極力声を押し殺して訊ねるとモテルフはちょこん、と私の肩に座り直す。 『キミにはもうわかってるはずだ。私とキミが何年過ごしてきたと思う? 防衛策ならとっくの昔に見出だしているはずだがね』  蘇れ、私の記憶!  高速で流れゆく記憶の中。たくさんの思い出がある。六歳ぐらいの時に病弱な女の子と遊んだこと。七歳の時に猫を飼ったこと。  とってもどうでもいいことばかりが思い出される。なんて役に立たないの、私の頭は! 『頑張りたまえ。私にはこれ以上の助言を期待しない方がいい』  原因はあなただと言うのに。妖精まで、私を見捨てるのか!?
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