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『そしてキミは私の能力のせいで困っているようだな。いやはや、モテすぎは罪だと言えるのかな』
やけにキザっぽい態度で笑うモテルフ。モテモテ妖精というのも頷ける。
「な、なんとかならないかな?」
つんぐほぐれずの危機的状況から救いの手を求めるべく、極力声を押し殺して訊ねるとモテルフはちょこん、と私の肩に座り直す。
『キミにはもうわかってるはずだ。私とキミが何年過ごしてきたと思う? 防衛策ならとっくの昔に見出だしているはずだがね』
蘇れ、私の記憶!
高速で流れゆく記憶の中。たくさんの思い出がある。六歳ぐらいの時に病弱な女の子と遊んだこと。七歳の時に猫を飼ったこと。
とってもどうでもいいことばかりが思い出される。なんて役に立たないの、私の頭は!
『頑張りたまえ。私にはこれ以上の助言を期待しない方がいい』
原因はあなただと言うのに。妖精まで、私を見捨てるのか!?
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