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『違うよ、楓くん。私はキミに期待してるのだ。逆境を打ち破る力がきっとあるはずだ』
それだけ言い残すとモテルフは霧のように消えてしまった。
残された私は大勢の女の子に揉まれながら、考える。
少しでも力が緩まれば、男の私なら脱出は可能。つまりは、その力を緩める方法は?
両手は塞がれているから、手を使うことはできない。あるとすれば、首から上。頭突きをするのは気が引ける。
人間に力を抜けさせるのはどこ?
自由になった場所が顔なら、あれしかない!
ぎりぎり、と身体を動かしながら上半身を反転。運がいいことに、私を抱きしめる人の身長は高くはなかった。
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