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そのからかうような声と険のこもったその声の主たちは予想通りと言えようか。教室を騒がせていたのはやはり、レナさんと山瀬さんだった。
「お? おぉ。楓。どうした?ぼろぼろじゃねぇか」
おでこと両眼をぎらぎらと光らせる山瀬さんの怒声を無視し、私の存在に気付いたレナさんはにやにやとやけに男前な笑顔を浮かべてやって来た。
仲良くなったのは数分前。ミカさんの仲介があってだと言うのに、フレンドリーな態度だね。転校生とかにはありがたい存在だろう。
「う、うん。ちょっとウナギになっててね」
「ウナギ? 蒲焼きか? まぁ、いい。それより、おもしろいことが発覚したんだよ」
おもしろいこと……この周囲の状況から私的におもしろそうなことは出てきそうにないけど。
「あのな。あのおでこ野郎の下の名前って"みるく"っつうんだって! 似合わねぇ~」
カッカッカッ、とレナさんは私の背中叩いて大爆笑。痛いし、笑えないよ……だってすごい睨まれてるもの。親の敵とでも言うように。
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