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山瀬さんは忌ま忌ましげに眼鏡のブリッジ部分を押し上げると、嫌にドスの利いた声で唸った。
「なるほどね……あなたが裏で手を引いていたのね」
なんとも恐ろしい勘違いだ。ここまで来るのにそれなりな時間が掛かりはしたが、山瀬さんが馬鹿にされている様子を見る余裕はなかった。
「誤解だよ。私は今まで、学院長室にいたし……」
「嘘が上手いわね。学校初日から、学院長に呼ばれるなんておかしい」
そこを呼ばれたのさ!
だって私は、女子高生になりきった変態だもの……だもの……もの……の。
自分で思ったことが私のナイーブなハートをえぐり、頭の中でエコーを効かせて響き渡る。
「この屈辱。絶対忘れない!」
膝をつき、人知れず鳴咽をあげて涙を流す私は無視のようで話は勝手に進められていく。
「こうなったら勝負よ! 三日後の実力テストでどっちが上かを決めましょ!!」
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