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「楓みるく戦争!! ここに勃発!!!」
女の子特有の甲高い声が上がる。地を揺らすような歓声が辺りを包んだ。
ここはどこの戦地なの?
当惑しながら周囲を見渡すと呆れたような顔でハルカさんが肩を竦めて見せた。
なんだかごめんなさい。
「はぁ~」
赤いレンガ造りの道を歩きながら、私は大きくため息をこぼした。
思わず宣戦布告を受け止めてしまった自分への嫌悪を表わすものだ。
「バカよね、あんた。あんなの適当に謝っとけばよかったじゃない」
「だって……誤解されたままだと辛いんだもん」
一緒に寮へと帰る道中にて、ハルカさんは隣で小さく息を漏らす。
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