フロント

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突然裕也が口を開く。 「もしかしたら……」 「何か思いついたのか?」 「うん。あくまで可能性があるだけなんだけど」 「うん」 「この手帳の持ち主はたぶんフロント係の人の持ち物で、ここに置いていった理由は……」 「裕也。もったいぶらずに話せよ」 「……うん。理由は仕事のトラブルでここを離れてから戻っていないか、何らかの事件に巻き込まれて戻れないのかの、どちらかだと思う」 真也は裕也の言っている事に納得した。 「どっちにしても、何かに巻き込まれてるんだな」 「たぶんね」 真也は今の話しでちょっとした疑問が頭をよぎる。 「でもよ、おかしくないか?」 「えっ?何が?」 俺は、何がおかしいのか、わからないでいた。
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