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裕也と耕太は駿を置いて、耕太が開けようとしていた扉の前に行った。
「耕太。ここ開けようとしていたのか?」
「そうだよ。一人だと力が足りなくて、少ししか開かないんだ」
「そうだったのか。俺も手伝えば開きそうか?」
「たぶん開くはず」
「そっか。じゃあ開けよう」
裕也は駿を見殺しにする事で、責任を感じて集中できないでいた。
ギィー ギィー
「裕也!もっと力いれろよ!」
「すまん……。駿の事が……」
「……そんな事言ってたら俺達も死ぬんだぞ!駿が自分の命捨てて、俺達を逃げさせた意味なくなるだろ!」
「わかってる……わかってるんだけど……」
バキッ
耕太がいきなり裕也を殴った。
「イテッ!なにすんだよ!」
「裕也……駿の気持ちわかれよ!」
「うっ……」
裕也は駿の本当の気持ちを考え、目から涙がこぼれだした。
「泣くのは後でもできる。今はここから出よう」
「わかった」
二人は力を合わせて扉を開け始めた。
ギィー ギィー
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