出逢いの次

2/2
前へ
/8ページ
次へ
      月曜は決まって、ケイと会う   お互い、学校がどうのとか、何も言わないから、そうやって一緒にいるのが普通で すごく、落ち着く       「コウ、」       彼、ケイはよく名前を呼ぶ   ためらうことなく、髪の毛に触れて優しく撫でて、目を見つめる       日が経って気付いたこと   ケイは、よく髪の毛を触る 嫌ではなく、心地がいいくらい       「何、ケイ」   「髪、伸びたね」       出逢った頃、肩の下で揺れていた髪の毛は、脇を少し超えたあたりまで伸びた   それだけ、ケイと居る時間が長いということ       「コウは長いほうが似合う」   「短いの、見たことないくせに」   「長いほうがいい」       彼氏でも彼女でもないのに、ケイはそう言って微笑む       言葉の魔力― ケイにはそれがあると思う   有無を言わせない言葉   強いわけではないのに、逆らえない強さ       「ケイは、短いほうがいい」   「そう?」       後ろで括る、自らのその髪の毛を触りながら首を傾げた       「…俺はこれでいいの」   「あたしだけ、ずるい」   「ずるくないよ、コウ」       視線が絡む   ケイの瞳に吸い込まれそう
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加