第17話

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「よっ、千里、カズ」 「あ、珠姫」 「ちーは珠姫にもやんないよ」 「親子で何同じこと言ってんだ」 聖翔と万聖に同じことを言われ、珠姫は少々呆れ気味。 「それより、お前らこれから大変になるぞ」 もうその話はいいと言わんばかりに、心矢が現実を突きつけてくる。 周囲の視線を浴び続けていてそれはわかっていることなのだが、できれば今はそれに触れてほしくなかった。 一時の幸せが打ち砕かれ、千里は万聖の肩に顔を埋める。 「大丈夫、ちーはなんもしなくていいからね。全部、俺に任しといて」 「嫌」 周りにまで聞こえそうなほどはっきりと否定した。 人任せなんてやってられない。 自分も動かなければいけないことはわかっている。 なんと言ってもこれは万聖だけの問題ではなくて、千里自身にも関係のある問題。 「んー、じゃあ、俺と一緒にがんばろ」 「うん」 「俺達もいるからさ、何かあったら頼れ」 「フルに使わせてもらうよ」 「心矢をな」 いつでもどこでも心矢の扱いは変わらず、最後の珠姫の言葉にしょげている。 「2人とも、ありがとう。何をがんばるかわかんないけど、あたしもがんばるから」 千里らしいその言い方に、3人はクスクスと微笑んだ。
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