2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
今でも思い出す。あの日僕は君に恋に落ちたんだ。
梅雨も明けて、段々暑さが増していたとき、週1の休みをのんびり過ごしていた。
僕は美容師になる夢を追いかけ、専門学校を卒業して、田舎から上京してきたばかりだった。
これといって遊ぶ友達もいなく毎週の休みをただ過ごしていた。
ふと携帯電話を取り出して学生の頃はやった無料コミュニティーサイトを開いた。
誰でもいいから友達が欲しかった。
何気なく投稿したら一人の女性からメールが届いた。
彼女は僕よりも年上でかわいらしい印象を受けた。
そして偶然にも同じ町に住んでいた。
彼女は夕方から出掛けるらしい。僕はそれまでの時間カラオケにでも行かないかと誘った。
彼女はわりと素直に承知してくれた。
待ち合わせ場所はミスタードーナツの前、僕は約束の時間より早めに来てどの方向から来るかわからない彼女を待った。
キョロキョロと落ち着きがなかったのでさぞかしおかしかっただろう。
しばらくして横断歩道の向かい側から僕の方を見ながら歩いてくる女性が来た。
一瞬だった。
一目見て僕は彼女に惚れていた。
最初のコメントを投稿しよう!