Menue 1. 幸せのレシピ

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 私達を驚かせたのは、コンビニの商品だったからではない。   「なあ、これって」 「うん」    出された料理はコロッケ。  しかしコロッケは衣は爆発しており、中身が出てしまっている。  しかも私のに至っては、形も不細工である。    更にコロッケにはソースがかかっているが、それで各コロッケにハート模様を描いている。  衣が爆発してしまっているので、ハートの形も歪になっているが。   「あの……」 「では、ごゆっくりどうぞぉ」    私が料理について質問しようとすると、れいかさんはそれを遮り奥へと早足で戻ってしまった。  しかもとびきりの笑顔を見せてから。    残された私達は、暫く目の前のコロッケを見つめていた。  やはり何度見ても、このコロッケは〈あのコロッケ〉だ。   「どうしてこのコロッケが?」    和也の質問に、私は首を横に振る。  逆に、私が聞きたいくらいだ。    私達に出されたコロッケは、私と和也が初めて一緒に作った料理にそっくりなのだ。  私の分の中身は和也が作ってくれたから、大きさも厚さもばらばらで。    揚げるのもお互いが初挑戦だった為、高温で長く揚げすぎ、見事に衣を爆発させた。  そして余りに見た目が良くないからと、ソースでハートマークを描いたのだ。
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