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私達がコロッケを食べ終わると同時に、奥から雨宮さんとれいかさんが出てきた。
「あの……」
私が話しかけると、二人共優しい笑顔を見せてくれた。
しかしれいかさんの持つトレーには、銀色の蓋が被された謎の物体がある。
「有難うございます」
中身が気にはなったが、私達は先ずは二人に頭を下げてお礼を言った。
「いえ。ご満足いただけたなら幸いです」
「でも何であのコロッケのこと知ってたんですか?」
そして一番聞きたい質問をする。
「それは企業秘密です」
しかし人差し指を唇に当て、雨宮さんはにっこりと笑う。
「秘密かぁ」
和也は残念そうにしているが、私は自分で質問しておいてなんだが、秘密なら秘密でもいいかなと思う。
「ここは秘密のレストランですもんね」
「はい」
微笑む私と雨宮さんを見て、和也もまぁいっかと言って背もたれに体を預ける。
多分、和也もここが普通のレストランではないことは分かっているのだ。
でもそんなことはどうでも良かった。
このレストランに来なければ、私と和也は大切なことに気付けなかったから。
大事な約束を忘れたままだったから。
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