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「では最後にデザートになります」
温かな雰囲気の中、謎の蓋が取られ、そこには丸い小さなケーキかあった。
「デザートもかぁ」
和也はケーキを見て、やられたといった表情になる。
私も何かあるなとは思っていたが、やはり驚いてしまった。
「ウェディングケーキのミニサイズだ」
真っ白な皿の上には、ウェディングケーキの一番上の部分のミニサイズ版が置かれていた。
“ハッピーウェディング”とチョコで書かれた文字の上には、新郎新婦の姿をした砂糖でできた人形。
今度も、サイズ以外は全く同じ。
「良かったら、雨宮さんとれいかさんも一緒に食べませんか?」
ミニサイズとはいえ、二人で食べるには少々多い。
「いえ、お二人の邪魔をする訳には」
「一緒に食べてもらいたいんです。ね?」
和也を見ると、和也も頷いている。
「じゃあ、お皿後二枚持ってきまぁす」
雨宮さんの返答を待たず、れいかさんは奥へと走って行く。
「やれやれ。れいかさんは本当に……。では、お言葉に甘えて失礼します」
雨宮さんは苦笑しながら、カウンターから椅子を二脚引っ張り出した。
そして戻って来たれいかさんも加え、私達は楽しいひと時を過ごした。
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