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律香は優しい笑顔で野郎と話している。
―イライラ
こっちに気付いた律香は驚いた顔でこっちを見ていた。
律香の方に近寄り、手を引っ張って連れて行こうとした。
だが、引っ張っても前に進まない。
後ろを振り向くと、あの男が律香の手を握っている。
本人も無意識の内に握っていたようで、すぐに手を離した。
少し睨んでから、手を引っ張って教室を出た。
その時思った。
アイツは律香の事が好きなのか…と。
律香は何も悪くないと分かっているが、愚痴を言う奴がいない事で律香本人に当たってしまった。
律香は俺に引っ張られながら、グチグチ文句を言っていたが無視した。
車に乗り込み、家に着くと俺の部屋に律香を押し込んだ。
扉を閉め、鍵をかけ…
律「どうして束縛されなきゃいけないのよ!」
と言われてしまった。
俺は
「頭を冷やせ!」
とだけ言い、部屋を去った。
頭を冷やすのは俺の方だ…
ごめんな…律香……
お前の事になると俺は自分を見失うみたいなんだよ…
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