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フェリーはのんびりと進んでいった。随分前から島は見えているのだが、船が遅いのと港が一直線上にないのとでこれだけ時間が掛るらしい。あまりに遅いので、水鳥さえ間近に来るまで逃げようとしなかった。 一時間掛けてようやく土庄港に着く。フェリーを降りると迎えが来ていた。小豆島在住の同人のIさんである。封筒を持った白髪頭の老人と聞いていたが、会ってみると本当に八十くらいの方だった。
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