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ふと、いつかの、ジョニーの台詞が浮かび上がる。
『でも、自分自身の命もしっかり守りな。お前さんが死んじまうと、今度は『お前さんを大切に思う人』が悲しむからな。』
『大切に思う人』…。
スタン達は、本当に、自分を仲間として受け入れてくれていただろう。
今では、素直にそう思える。
きっと彼達なら、自分のことで、悲しんでくれるだろう。
あぁ、彼女…マリアンも、きっと悲しんでくれるだろうな。
今まで気づけなかったけど、自分は大切な人たちに、大切に想われていたんだ。
そう気づき始めた心に、少しの後悔がよぎる。
―――もう少しだけ、生きてみたかった。―――
今はもう戻れぬ『特別な日々』に思いを馳せながら、少年の身体は、ゆっくりと海の底へと沈んでいった。
fin
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