序文

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まず最初に日本における相撲の起源について少し触れたいと思います。よく言われているのが相撲の歴史は紀記(日本書紀、古事記)の時代まで遡る事ができると言う物ですがこれらの話はあくまでも神話としてのものであり実質的な相撲の始まりと言うには程遠い物です。いわく古事記における建御雷神(タケミカズチノカミ)と建御名方神(タケミナカタノカミ)による国譲りの相撲であり日本書紀の中の野見宿禰(ノミノスクネ)と当麻蹴速(タイマノケハヤ)の天覧相撲と言う事になるのですが古事記の方は力競べという感じだし日本書紀にいたっては今で言うと武器を使わない殺しあいのような血生臭い物でとても相撲と呼べる代物ではありません。では現在の相撲の起源になるのはいつの時代くらいからであるか?これは諸説ありますが私の考えではやはり大衆を相手に興行を打つようになった江戸時代の勧進相撲からと言えるのではないかと思います。勧進相撲と言うのは寺社への寄附を募る興行を相撲を見せる事で行う物で寄附と言う事から許可がもらいやすかった為と考えられます。又、寺社の境内を借りて人を集められるという利点もあったようです。初期の相撲には今のような土俵と言う物がなく取り囲んだ人の中に押し込めば勝負ありといったルールであったようですがこれだと怪我人も後を絶たない為いつしか境界線のような物ができ、それが土俵へと変化していったようです。そして興行という事になれば当然それを職業とする相撲取りが生まれそれと同時に興行主=勧進元も誕生したものと思われます。ざっと相撲の歴史をはしょって書いてみましたがこれからが本編の力士群像です。はてさて、どんなお相撲さん達が出てきます事やら書いている私もまだ決めかねている所なのでまずはお楽しみと言う所で今日は筆を置きたいと思います。相撲の歴史に少しでも興味を持っていただけたなら嬉しいのですが…。
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