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「ほ…本当に何にも覚えてないのか?アリス。」
スピナは顔を強ばらせていた。
「…………………。」
エースは黙っていた。
アリスは、覚えてないのかと聞かれても、この2人には、全く見覚えがない。周りの風景も、皆………。
「仕方がないよ。スピナ・グラスラム。あんな事があったんだから…。」
凍りついた空気を割ったのは、エースだった。
「アリス…。キミは、本当に何にも覚えていないんだね?」
エースは、アリスに確認をするように、言った。
「そんな事を言われても、私には、そんな記憶なんて一切ないわ。」
アリスがそう言い切ると、エースは悲しそうな顔をした。
「…そっか。覚えてないか…。…………いいよ。ボクたちが知っているキミを、この世界を思い出させてあげるよ。アリス…。」
今にも、泣きそうな顔をしながら、エースは話した。この世界、そして、アリスの事を………。
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