アリス・バトラー～a black alice～

真実の記憶

スピナを新たに加え、森の中では金属同士がぶつかり合う音と誰かが殴っているのだろう。
低く鈍い音と共に人が倒れる音が立て続けに続いていた。

「…ふむ。ん－……なぁエース…騎士ってこんなにも弱かったっけ？10年前はそんな事はなかったけどねぇ‥。…ってのは嘘だけど♪」

敵の騎士を容赦なく精々堂々と拳で気絶させてたスピナはふとエースに軽く冗談を言った。
それだけ彼にとっては余裕なのだろう。

戦いに少し苦戦しつつもそれを聞いたエースの反応は…。

「そんなの弱いとかどう思うのかは人の勝手だろ！……え？…今……10年前って言った？」

戦っている最中という事もあり、何かの間違いだと思いたかったエースの頭にはハッキリと矛盾したスピナの言葉が残っていた。