真実の記憶

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騎手の動揺が隠せない顔を見たアリスは軽くため息をし、 「…勘違いもほどほどにして欲しいものだわ。」 と、言った。それから目をつぶり、アリスの師である母の言葉を思い返した。 ・ ・ ・ 初めて本物の剣を使い真剣勝負をし、もう少しの所で巧い事に剣を弾き飛ばされてしまい、剣先がアリスの喉にぴたっと付けられ勝ち誇ったような笑みを浮かべた母は、アリスにこう言い教えた。 「手に持った剣は人を斬る物ではなく、自分、大切な人を守る為に斬るものだ。」 その時のアリスには分からなかった。 当時のアリスには友達と呼べる存在が居なかったから…。
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