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第四幕 夜と朝の間
夜の月が姿を消そうとしている。
フクロウが、眠りにつく時間。
少女は動き出した。
コッペリウス博士の屋敷内、小さな明かりを手に少女は階段を下りて、とある部屋に入っていった。
そこには、椅子があり誰かが座っている。
少女は、その者の肩に手を掛けた。
「フランツ…ねぇ、フランツ!起きて!起きなさいってば!」
しかし、その者は起きない。
少女は手を振りかざし、力一杯その者の頬をひっぱたいた。
その者は、椅子から転がり落ちて目を覚ました。
フランツ「いっ…痛い。」
フランツは、頭を降って頬に手を当てている。
「ようやくお目覚め?フランツ。」
フランツは、目をこすって声の主を見た。
フランツ「コッ…?スワニルダ??」
彼の目の前に仁王立ちしているのは、元婚約者のスワニルダだった。
フランツ「でも…どうして君がここに?ん?ここは何処だ?」
フランツは、昨晩の事を思い出そうとするが、ひどく頭痛がするだけで何も思い出せない。
その様子を見て呆れたスワニルダが口を開いた。
スワニルダ「貴方騙されたのよ。博士は睡眠薬で貴方を眠らせて、コッペリアに貴方の魂を移す術をほどこそうとしたの。」
フランツは、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしている。
フランツ「え?魂を移すって…??」
スワニルダは、溜め息をついてフランツの手を引き、コッペリアの部屋へと向かった。
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