魔性の男

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結局、僕はまた体育館の掃除を一人でするハメになった。 自業自得と言われれば仕方がない。 鈴谷さんが来てくれるんじゃないかと、淡い期待を持ったけれど、そんなことがあるはずが無かった。 一向に雨足が弱まる気配がない。 バラバラと屋根に叩きつけられる雨音はうるさく、一人しかいない体育館に余計に響く。 掃除が終わって、家に帰る頃になってようやく雨足が弱まった。 社員寮の前に見覚えのある真っ赤なアウディが停まっていた。 鈴谷さんかな? 持つだけ無駄な期待を抱く。 車の前を通り抜けようとしたところで、声を掛けられた。
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