魔性の男

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「あのっ…徳本弘海っす、宜しくお願いします」 「あぁ…宜しく」 そのまま、どこかへ行ってしまった。 冷たい… 泣きそうです、母さん。 「あ~気にすんな鈴谷さんて、誰にでもあぁだからさ」 「篠宮さん!!」 篠宮さんは大学の先輩で、いつも僕に良くしてくれて、兄の様に慕っている。 いくつか、オファーのあった企業からこのバレー部を選んだのも、篠宮さんがいたからだ。 「センスもテクニックも一流だからさ、よく見ておけよ」 「僕、上手くやって行けますかね…」 「弘海…、お前なら大丈夫だよ」 「なんか、久しぶりカモ」 「んっ?」 「先輩に大丈夫って言われるの」 「そおかぁ?」 照れると、頭を掻く仕草も変わってない。 「それよりウチの合宿、厳しいから覚悟しておけよ」 「マジっすか?頑張ります」 そうこうしていると、監督がやってきて集合をかけられた。
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