魔性の男

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「あのな…んー…」 いつもは歯切れの良い篠宮さんが、珍しく口ごもっている。 「えーっと…そのナンだ、あの人な魔性の男なんだ」 「はっ?」 「だから魔性の男なんだよ」 聞き慣れない言葉に、僕は聞き返してしまった。 「えっ…どういうことです?」 「いや、あの人自分で言ってることなんだけど…目をつけたヤツは必ずオトすって」 「なんすか…ソレ」 「だから自分がおかしいとか、考えなくて良いと思う…」 それだけ言って、篠宮さんは食堂から出て行った。 魔性の男って… 何だよソレ… 僕はどうしたいんだ
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