秘密のお茶会。

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「何を求める?」 彼は細い指でゆるく光る、シルバァの煙管をもてあそんだ。純白の翼は淡く光を反射している。 「・・・・・。」 その、柔らかな影の中に彼女はいた。 真っ直ぐに切り揃えられた髪は、瞳と同じ色をしている。 方翼のみをもつ彼女は、ただ優雅に。 その翼さえも丁寧に折り畳んでいる。 シルバァの煙管をもつ彼が不機嫌なのは、他ならぬ彼女のせいなのだが。 彼女は意に介さず、優雅に琥珀色のお茶の入ったカップに薔薇色の唇をつけた。
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